書評、映画レビュー
映画化された『おらおらでひとりいぐも』(沖田修一監督、2020年) を見た。こんな話だったっけと思った。若竹千佐子氏の原作 (河出文庫、2020年) をもう一度読み直した。やはり違った。 この小説は老いと孤独についての話で、御年74歳の日高桃子さんの独居生…
佐藤愛子はやはり佐藤愛子。余韻なんてわざとらしい。もったいぶるのはしゃらくさい。もっと引き延ばせそうな話も、えいやっと断ち切って涼しい顔。自身の執筆人生まで、最後は一刀両断に………といった内容を読後感として書こうとした。 でも本書『九十八歳。…